アスペルガー症候群の人には安易に一人暮らしをさせてはいけないと思う

 これはあくまでも私の経験則による話なのですが、アスペルガー症候群自閉症スペクトラム)を抱えている人は安易に一人暮らしをするべきではないと思っています。特に、障害者手帳精神障害者保健福祉手帳)を交付されている人は極力やってはいけないとすら実感しております。いずれにしても、最終手段の一つとして捉えるしかないでしょう。

 私自身、自閉症スペクトラムの診断を受けておりまして、障害者手帳の交付も受けている状態で一人暮らしを続けてきているのですが、とにかく生活が大変なのです。自分の興味のあることに集中するあまり、身の回りのことにまでなかなか手が回りませんし、金銭管理についても、なかなか思い通りに節約することができないのですね。ですから、身辺にかかる費用のことが頭から抜け落ちてしまったり、MacBook Air 13とMacBook Pro 13を立て続けに買ってしまったり、ということが起こってくるわけです(苦笑・iPad ProやMacBook Pro 15にはまだ手は出してないですが、それで本当に良かったです)。

 自閉症スペクトラムというのは先天性の障害であって、どうにかすれば治るようなものではありません。少なくとも、今の医療の技術では特効薬といったものはなく、従って一生継続すると考えていただいて構いません。ですから、どうにかして一人暮らしの状態に慣れることはあっても、自閉症スペクトラム特有の症状や問題が改善されるというわけではないのです。ここに、一人で暮らすことの難しさがあるように思います。

 私に限ったことではないと思いますが、自閉症スペクトラムを抱えていらっしゃる方は、自分の興味のあることにはこれでもかと言うほどに集中する一方で、興味のないことにはとことん無関心を貫こうとします。それが、どうしてもやらなければいけないことであっても、です。さすがに役所へ出す書類というような先延ばしできないことは嫌々ながらも手をつけようとしますが、掃除や洗濯のように「いつやれば良いのか定まっていないもの」を取り扱うのは本当に苦手なものです。

 健常者(自閉症スペクトラムの診断を受けていない方、という意味です)にとったら、「掃除や洗濯、買い物なんて空いた時間にやれば良いじゃない」という発想で何とかなりそうなものだとお考えなのかもしれませんが、自閉症スペクトラムの方々は、その「空いた時間」をなるべく自分の興味のあることに費やそうとしますので(私のことです・苦笑)、どうしても他人(健常者)の介入がなければ、家事の習慣化は難しいように思います。

 自閉症スペクトラムの場合、自分の不得意なことに関しては、これでもかと言うほどに練習しなければなかなか習慣にはしづらいところがあるのですが、状況を改善したいという意思が当事者本人にないのならば、どうしても当事者にとっては苦痛以外の何物でもありません。ですから、いくら独り立ちしたいと本人が思っても、あるいはご家族の方が独り立ちさせたいと考えていても、しっかりと身の回りのことができるという証左が得られなければ、控えておいた方が良いように思います。

 そこで、自閉症スペクトラムの診断を受けている方は、できることならご家族かその他支援者の方と一緒に暮らした方が良いでしょう。ご家族などの理解が得られていれば、言うことはありません。もっとも、私の場合、その家族に問題があったからこそ、一人暮らしを選択せざるを得なくなったのですけれどもね。

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