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創作よりももっと大事なこと

 ここ最近、私は実生活がバタバタしていることもあって作品を世に出せていないのですが、もしかするとそれで良いのかもしれません。作品を出せないということは、ある面では幸せなことなのかもしれないのです。

 以前の私は、どちらかと言うと、ひどく創作に毒されていまして、どうしても創作活動をしなければいけない、と思っている節がありました。私が主に取り組んでいたのは小説だったということもあって、暇さえあれば何か書かなければいけない、書こうとしなければいけない、などとずっと思い込んでいました。その結果、私生活で支障を来してしまうことも多くありました。

 ですが、何も創作ばかりに時間を使わなくたって良いのです。世間一般に言う「趣味の範囲内」であれば、ゲームをやったり、本を読んだり、音楽を聴いたり、あるいはどこかに出かけたりしても、一向に構いません。そうやって、仕事や家事とは違う「オフの時間」を満喫するということは、決して悪いことではありません。

 問題なのは、例えば趣味でやっている創作が、そのうち学業や仕事、家事にまで大きく影響を及ぼしてしまうことです。趣味と仕事と家事と、どれに重きを置くかは人それぞれであって、もちろん正しい答えなんてないのですが、それでも趣味が他の生活に必要な領域に食い込んでしまうというのは、よろしくないことです。かつての私はこのことに気づかず、創作一辺倒の生活を送ろうとしていたのですね。それで、私生活に無理が生じてきてしまい、創作に必要な体力も気力も失い、巡り巡って満足に創作ができなくなったことも多々ありました。

 ただ、趣味でやっている限りであれば、創作は必ずしも義務ではありません。書きたくなければ放っておいても良いし、他に大事なことがあるのなら、そちらに時間を費やすに越したことはないのです。作品を創ることに力を入れるのは構いませんが、別に力を入れなくても良いというものです。自分にとって創作の必要がないと感じられるのであれば、わざわざ汗水垂らして言葉を選び抜きながらああでもないこうでもないと悩む必要もありません。

 自分の生活を最低限でも良いから成り立たせるということと比べたら、創作なんてものは全然大事ではありません。ですから、自分よりももっと創るのが上手な人がたくさんいるのだから、無理に自分があえて出しゃばる必要もない、という考え方も十分にあって良いと思います。一方で、少なくとも、作品を完成させることばかりに気を囚われてしまったがために、実生活がおろそかになるようなことは、できることなら避けておきたいところです。